「日本人の食事摂取基準」より適正糖質を算出する
厚生労働省が提示している「日本人の食事摂取基準」には現在、糖質量の記載はありません。
一方で一日の摂取エネルギーのうち、50~65%程度を炭水化物にするという目標基準があります。
たとえば2000kcalを目標にしているのであれば、炭水化物の摂取目標は1000~1300kcalなり、これは糖質換算すると250g~325g。そこから食物繊維の1日の目標摂取量(20g計算)を引くと、下記のように概算値が出ます。
1日の消費カロリーに対する目標糖質量
- 1500kcal:糖質128g~183g
- 2000kcal:糖質170g~245g
- 3000kcal:糖質250g~368g
ダイエット時は1500~2000kcalを目標とする人が多いので、その場合は糖質が128g~245gとなります。
「食・楽・健康協会」の糖質基準に合わせる
低糖質商品に貼られたロカボマーク(画像左上)を発行する「食・楽・健康協会」では1食で摂取する糖質量を20~40gに定めています。
現代の一般的な日本人の食生活では1日300gほどの糖質を摂取していると言い、間食を含めて下記の水準まで下げるよう提唱しています。
- 1食20g×3食+間食20g=1日70g
- 1食40g×3食+間食20g=1日130g
ロカボとなるとやはりけっこうシビアです。なお参考までに「食・楽・健康協会」では糖質以外のカロリー・脂質・たんぱく質には制限をしていません。糖質以外は食べ放題です。
クラッカーテストで適正炭水化物量を知る
最期はカナダの医学博士シャロン・モアレムが発表した方法。「林先生の初耳学」などテレビで取り上げられた方法なので気楽にテストできます。
テスト方法
- プレーン味のクラッカーとストップウォッチを用意。
- クラッカーを口に入れてストップウォッチをスタート。
- 口の中で甘さを感じたらストップウォッチを止める。
甘さを感じるまでにかかった時間によって1日の適正炭水化物量が決まります。
- 15秒未満:250g
- 15~30秒:175g
- 31秒以上:125g以下
唾液に含まれるアミラーゼはデンプンを糖に分解する酵素で、アミラーゼの量が多い人は糖に分解する速度が速く、食べたクラッカーを30秒以内に甘く感じるといいます。
一方で唾液にアミラーゼの量が少ない人は糖の分解に時間がかかり、甘く感じるのに30秒以上かかります。
アミラーゼが少ない人ほど炭水化物を食べると膵臓でインスリンが多く分泌され、インスリンの働きにより糖質が体内に吸収されてしまいます。そのためアミラーゼの量が多い人は炭水化物で太りづらく、アミラーゼが炭水化物で太りやすいと考えられています。
適正糖質の推奨値
糖質適正量は体格や体質などにより、個人差があると考えるのが妥当です。
糖質を極端にカットして健康な人もいますが、いきなり真似をするのは危険です。体格や体質にあわせて調整していきましょう。
どのくらいの糖質制限にするか迷っているなら、1日130gが推奨です。
厚生労働省基準からも大きく外れていない数字ですし、1食糖質20~30gというのは糖尿病患者に定められた健康が担保できる数字でもあるため、1日130gの糖質制限で健康に影響が出るとは考えられません。
もちろんすべて参考データ・参考情報です。体と相談しながら自分なりの適正糖質を探してみましょう。