「塩分を気にしよう」と言われても何を基準にしていいか分からないかもしれませんが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015)」で塩分摂取量について提示されています。
塩分の摂取基準
日本人の食事摂取基準2015 | 12歳以上男性 | 10代以上の女性 |
1日の食塩摂取目標量 | 8g未満(平均11.1g) | 7g以下未満(平均9.4g) |
1日の食塩必須量 | 1.5g | 1.5g |
食塩摂取量は男女によって異なり、1食2.3g~2.6gほどになります。一方で必要塩分量も定められていて、1日に塩分1.5gは必須です。
塩分を意識するのであれば、高血圧学会推奨の「1日6g以下」が理想的と言われます。人工透析患者に定められて目安ですが、一食2gほどの塩分量になります。
なおWHOの目標値は「1日5g以下」となっています。これを参考にすれば一食1.7弱となります。一日に必須の食塩量とほぼ変わりません。
まとめると一食の推奨塩分摂取量は下記のようになります。
- 男性:1.7g~2.6g
- 女性:1.7g~2.3g
一食1.7gはなかなか厳しい数値です。中間値として一食2gを目標にがんばりましょう。
ナトリウムと食塩相当量の関係
栄養成分として「ナトリウム○mg」と表記される場合があります。ナトリウムの値を2.54倍すると食塩相当量となります。
例)ナトリウム1000mg×2.54=2540mg=食塩相当量2.54g
正確には異なるのですが、ひとまず「2.5をかける」と覚えておくと便利です。mgはgの1000分の1であることをお忘れなく。
塩分の恐怖
塩分の摂取を控えることはダイエット効果あり。「塩を抜いてむくみをすっきり」のような塩抜きダイエットがあるように、体内に塩分が多いと水分をためこみます。顔のむくみなどが気になる方は塩分一日5g一食1.7g以下にする塩分ファスティングにトライしてみましょう。
塩分はダイエットの大敵でもありますが一番怖いのは病気です。高血圧を引き起こし、高血圧は動脈硬化を引き起こします。さらに動脈硬化は脳卒中や心筋梗塞を引き起こし……といった具合に塩分過剰摂取は病を連鎖させます。
さらに塩分過剰摂取はガンの発生の一因になると言われているので、危険度はかなり高め。外食や中食には塩分が多くなりがちなので、栄養成分表示のチェックを欠かさないようにしましょう。
塩分の対策
摂取しすぎてしまった塩分対策としてカリウムの摂取が推奨されています。カリウムにはナトリウム(塩分)の排出を促して血圧を下げる作用があります。
一般的なところではカリウムはバナナやコーヒー、昆布、ナッツ類に多く含まれます。塩分の多いラーメンを食べた次の食事などにはカリウムを意識しましょう。
腎機能が正常であればカリウムの過剰摂取になる危険性は低いと言われていますが、腎臓の機能が低下しているときには要注意です。